起業・独立前の準備

個人事業と法人の税金比較

個人事業と法人の税金について、それぞれ比較してみます。

区分 個人事業法人
税金 所得税
住民税
事業税
法人住民税
法人税
法人事業税
所得税 所得金額による累進課税
5%~40%
(給与所得控除 0円)
会社としてはなし。

ただし、社長自身の個人所得には
所得税かかります。
累進課税 5%~40%
(給与所得控除65万円がある)
法人税 なし (資本金1億円以下の場合)
所得800万円以下 税率=22%
所得800万円以上  税率=30%
住民税

所得割 (所得に応じてかかる)
一律10%
均等割 (所得の有無に無関係)
一律4,000円

法人税割 (標準税率の場合)    .
法人税額×17.3%
均等割 (資本金1000万以下の場合)
70,000円
事業税

事業所得×5%

  (普通法人の場合)
所得400万以下 税率=2.7%
所得400~800万 税率=4.0%
所得800万以上 税率=5.3%

個人事業の税金

個人事業に課税される税金は、基本的に以下の3つに分類されます。

  • 所得税…売上から経費を引いた所得に対して課税される税金
  • 住民税…その地域の住民であることに対する税金
  • 事業税…事業で生じた所得に対して課税される税金

このほかにも、前々年度の売り上げが1000万円を越えれば消費税を納付する必要がありますが、消費税は個人事業・法人ともに課税されますので、個人事業にのみかかる税金であれば、上記の3つの税金が該当します。

個人事業にかかる税金(特に所得税)は所得の金額が高ければ高いほど、税率も高くなります。

課税所得 税率
195万円以下 5%
195万円超~330万円以下 10%
330万円超~695万円以下 20%
695万円超~900万円以下 23%
900万円超~1800万円以下 33%
1800万円超 40%

(注意)売上は所得ではありません。所得と課税所得も違います。

所得 売上-経費 (売上から経費を引いたもの)
課税所得 売上-経費-所得控除
(売上から経費を引いた所得から、さらに基礎控除、配偶者控除、扶養控除、社会保険料控除などの所得控除を引いたもの)

個人事業の所得税は、「売上-経費」にかかるのではなく、基礎控除、生命保険料控除、医療費控除、青色申告特別控除などの各種控除額を引いた課税所得に対して税率をかけます。そして、さらに税額控除を引いたものが、所得税の納税額となります。

所得税の納税額=(売上-経費-所得控除)×税率-税額控除

法人の税金

次に法人の場合の税金について見てみます。個人事業の場合には個人に対する税金が課税されていましたが、会社組織にした場合は、会社に対する税金と、社長などの個人報酬に対する税金が別々に課税されます。法人の税金(主に法人税)は、個人にかかる所得税と異なり2段階の税率になります。

課税所得 資本金1億円以下の
会社の税率
資本金1億円超の
会社の税率
所得800万円以下の部分 22% 30%
所得800万円以上の部分 30% 30%

所得税の税率を見ると、900万円を越えた部分の税率は33%、それに対して法人税では30%なので、単純に考えると課税所得が900万円を越えたら、法人にした方が有利なようにも見えます。

しかし、これは法人が役員報酬を支払っていない場合で、実際の法人では、社長を含めた役員に対して給与(役員報酬)が支払われ、法人は所得の分散が図れる(所得を減らすことができる)ので、課税所得が900万円以下でも法人の方が節税メリットがあります。

さらに、個人の給与分となる役員報酬は、会社からの給与となり、給与所得控除が適用されるので、個人分の所得額も少なくすることができます。

個人事業と法人ではどちらが得なのか?

個人にかかる所得税は、課税所得が300万円であれば10%の税率が、1000万円では33%というように所得の金額に応じて高い税金を支払うことになります。

一方、法人は法人税(二段階式)であり、課税所得が800万円以上であれば、税率は30%です(以降ずっと30%のまま)。

そのため、所得が一定以上の金額になれば、個人事業主から法人化したほうが良いということが言われています。逆に、所得が少ない場合は、法人よりも個人事業の方が税金が安くなります。

一般的には年間所得が600万円~700万円以上であれば、法人にした方が税金上のメリットがあるといわれています。

総合的に判断することが必要です

上記のように、所得が低い時には会社より個人事業の方が税金上のメリットがありますが、事業は税金だけでなく、取引先との関係や、資金調達、社員の採用など、さまざまな要素があります。

そのため、事業形態を選択する場合には、税金面だけで判断するのではなく、個人事業と会社の特徴をしっかり踏まえた上で、自分のニーズや事業の方向性に合った事業形態を選択することが最も重要です。

私がおすすめするのは、個人を相手にしたビジネスであれば、起業・独立当初は個人事業でスタートして、事業(売上)の見込みが立つようになってから、法人化する方法をおすすめします。なぜなら、会社設立はいつでもできますし、この方法が最もリスクとコストがかからないからです。

ただし、これまでの経験を生かしたビジネスで、すでに法人との取引の目処が立っている場合や、取引先が大手企業などの法人が中心となる場合、複数人で起業する場合などであれば、起業当初から法人でスタートしてもいいのではないかと思います。

 

なお、起業すると、日常の経費処理や確定申告などの経理業務を行う必要がありますが、経理業務が苦手な事業主は、専門家(税理士)に任せても良いでしょう。実際、多くの事業主が税理士を利用しています。税理士の選び方がわからない事業主は、税理士無料紹介 を利用すると、無料で税理士を紹介してくれます。

 

以下のページでは開業に必要な準備について解説しています

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